赤い狼 四
どうしよう、どうすればぃぃ?本当にどうしよう。
頭が気持ちに上手いようについていかず、気持ちだけがアワアワと慌てだす。
そんな私にいち早く気付いたのは
「隼人。髪から手ぇ離せ。それに何にキレてんのか言わねぇと分かんねぇだろ。
稚春が戸惑ってんじゃねぇか。」
意外にも、連だった。
コントローラーを床に置いて、連が私の髪を掴んでいる隼人の腕を掴む。
「連は黙ってろ。首突っ込んでくんじゃねぇ。」
「それなら稚春の髪を離せ。」
一触即発。
まさに、その言葉が正しいと言えるぐらいに睨み合う二人。
私は引っ張られている髪の付け根辺りを手で押さえながら連と隼人の顔を交互に見る。
「…ちっ、」
いつ喧嘩になってもおかしくない二人に冷や汗をかいていると、
隼人が小さく舌打ちをして私の髪の毛から手を離した。
それによりさっきまでの痛みから解放されて歪めていた顔をもとに戻す。