赤い狼 四






え。何この人。激しく恐ろしいんですけど。




私の無言が面白いのか、ケタケタと笑う朋さんが「だから俺は間違っちゃいねー。」間延びた声を出す。




いやいや。間違ってるって。まず私に勘違いさせるようなこと言ってるしね?


その喋り方も22歳のくせにムカつくしね。そろそろちゃんとした喋り方してほしいよ。


しかも最終的には拉致った?はぁん?大人が何してんだよ。警察が逮捕できるようなこと頼むからしないでよ!勘弁してよ。




大きなため息を溢して頭を抱える。取り敢えず、こっちに向かってもらうか。




「しょうがない。後で朋さんは絞殺するとして、慶吾と優吾をこっちに連れてきてよ。私、家の前に立ってるから。」



『1、2、3の選択肢、全部やるのか。俺は稚春の愛情をとったはずだ。』



「1、2、3が私の愛情です。」



『歪んでる。歪んでるぞ!』



「何とでも言って。ってか早く連れてきて。」



『いやもう30分前から居るはずだけど。』



「は…?」




朋さんの言葉に固まる。30分前?




『稚春ー?聞いてんのか?優吾と慶吾なら玄関で30分間お前がドアを開けてくれんのを健気に待ってるぞー。』




な ん だ っ て ?




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