赤い狼 四





「は…?」




もう一度、さっきと同じ言葉を投げ掛ける。



すると、朋さんは「アイツ等マジ健気だなー。」感心の声を漏らしてこう言った。





「玄関開けてみろ。」





それを聞いて、信じられないこの人。と、朋さんの神経を疑った。



本当にこの人って《VENUS》の初代総長だったわけ?




「信じられない!!」



「信じろよ。」



「禿げてしまえ。」



「おい、縁起でもないこと言うな。」



「ハゲ散らかす!」



「散らかすな。」




そう言ってハハハッと笑った朋さんはそのままブツリと通話を切った。とたんに私は朋さんの頭に拳をめり込ませたくなった。殺。




携帯をソファーに放り投げて慌ててドアを開ける。




そこには白い息を吐きながら不機嫌そうな顔をしたオレンジ頭の二人が立っていた。




「寒い。」



「死ぬ。」





そこから冒頭に戻るのだ。






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