赤い狼 四






「カフェに行こっか!!」




何故か拳を作って自分の胸の前でガッツポーズを見せる私。



何やってんだ。とは自分でも思っている。


でもガッツポーズをしていなければこの状況に負けてしまいそうなのだ。だからこれは自分に対しての応援の印なのだ。頑張れ自分。




と、一人でこの静かな状況に奮闘していると




「…何がある?」




ぶっきらぼうだけど拒絶は見せない様子で慶吾が聞いてきた。




「何が、ってカフェにある品物のこと?」



「…そう。」



「キャラメルラテとかコーヒーでしょ…。あとはエスプレッソとか紅茶、抹茶ラテとかとにかくいっぱいあるよ!あとケーキもいっぱいある!!」




指を一本一本折り曲げながら言っていく。私がよく通っているカフェには沢山の種類の飲み物とか食べ物があってどれも美味しい。


だから説明している内についテンションが上がって大きな声をあげてしまった。




でも慶吾はそんなことなんて気にしていないという様子で「ふーん。」と相槌をうつ。



あれ。てっきり「煩い。」とか言われると思ってたけど意外とそうじゃないんだ。




きょとん、としながらそんなことを思う。




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