赤い狼 四





私の勘違いかもしれない。考えすぎかもしれない。だけど、何か二人にはあるような気がして。



髪の毛の色がオレンジな二人。


一応、見分けがつくように右側と左側に編み込みが施されているけどそれは大した違いにならない。



全部剃ってある眉毛。




態度も、口調も全部揃えられてて。



名字も違って兄弟でも、双子でもないのに。何で二人は一緒の格好で一緒の雰囲気を纏おうとしているのか。



いや。





―――――何故、お互いが同一人物になろうとしているのか。






私には、それが気になって仕方ない。





「おかわりー!」



「おい、優吾食いすぎ。それでハンバーグ三個目だよ。」



「だいじょーぶ!腹は丈夫だ!」



「お前の心配じゃなくて稚春のハンバーグの心配なんだけど。ちゃんと残してんの?」



「あ…、」



「馬鹿。」




固まる優吾と頭を抱える慶吾に視線を預ける。





「…私のハンバーグ食べたの?」



「す、すまぬ。」



「何で侍みたいな口調なんだよ。」




初めて逢った時の二人は何を思いながらあそこに居たのか、知りたくなって





「ねぇ、二人はどうして同一人物になろうとしてるの?」





疑問を投げ掛けた。





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