赤い狼 四
そう思うのは私の勝手な押し付けかもしれない。
私が普段仲良くしている皆に心の内や自分のことを言わないから、代わりに二人に言ってほしいとか勝手に託してるからかもしれない。
だけど、私は《SINE》や《VENUS》の皆に出逢って少なくとも"仲間"って素敵なものだって感じられた。
だから、それを感じてほしい。
仲間と助け合い、支え合う。
そういうのを私は二人にやってもらいたいんだ。
私はその殻に閉じ込められた優吾と慶吾の本当を見たいんだよ。楽にしてあげたい。
何を苦しんでる?
何を求めてる?
それを知るために私は今日、この二人をここに呼んだ。
《RABBIT》で私が泣いた日、朋さんに頼んだ協力をしてもらって。朋さんは拉致したみたいだけど。
まっすぐ優吾の目を見る。
優吾の瞳はまだ揺らいでいた。
ゆらゆらゆらゆら。
優吾は今、何を考えているんだろう。
「皆には言わないよ。心の中の重いものを全部私にぶつけてよ。」