赤い狼 四
雷太の言葉に「俺もです!」「俺も!」「好きっす!」続けて言ってくれた不良さん達に微笑む。
雷太たちはいい人だな。と改めて感じた。
「…遅い。」
いつもの部屋に入ると燃えるような赤の髪の隼人が私を出迎えた。不機嫌という名のものと一緒に。
「遅いって…、下に居たの20分くらいだよ?」
「俺にとっちゃあ二時間くらいの待ち時間だった。」
「10分が一時間の感覚ってどうなの?」
チッ、と舌打ちを溢す隼人にため息をつく。なんだってこうワガママなんだろう。いや、ワガママっていうか俺様?何でも俺が中心みたいな。
隼人を盗み見しながら考えてみる。だけど結局たどり着くところは決まっている。
隼人は何様、俺様、隼人様!なんだ。
と、
「稚春。」
隼人が私を見てきて手招きした。
それにあからさまに嫌そうな顔をしてみせる。
すると隼人は予想通り盛大な舌打ちをかましてギロリと私を睨んできた。おぉ怖。
ぶるる、と栗立った肌の腕を擦る仕草をする。途端に
「おちょくってんじゃねぇ。」
イラついている声が聞こえてきた。イラついてんじゃねぇよ。