赤い狼 四
聞き慣れない単語に思わず声を荒げた。
ななななな七本!?こいつどんだけ飲んでんの!ってか何でそんなに飲んでてピンピンしてるわけ!?こいつの体どーなってんの!!
これを俗に言うパニックというやつだ。
「ってか未成年!」
「実は俺、二十歳なんだよな~。」
「寝言は寝て言え。」
ケタケタ笑いながら銀がそのまま右手に持ったボトルワインを口に持っていくからぶん取る。
と、「あー、俺のワインが取られちゃったじゃねぇの。」呑気に言ってるけど"どう取り返してやろうか"と思惑をハッキリくっきりと銀が顔に出した。それに睨みをきかせる。
「まぁまぁそんなに怒るんじゃ~ねぇよ。」
でもそんな睨みをへらへらとした笑顔でかわして取られていないビールをあおる銀にチッ、と舌を打つ。
いつも人より先を見て行動する銀は私が睨むこともきっと分かってたんだ。それを証拠とするように、ほら。
私を軽くバカにしたように笑った銀は私の手からワインを取り「あ、」ゴクゴク、と飲み干してしまった。
しまった。睨むのに夢中でワインに気がいってなかった。