赤い狼 四
首の後ろに添えられた棗の左手が私の左側の髪の毛をそっと右側に寄せる。
それによって露になった私の首に棗が顔を近付けてきた。
「本当に近いって!」
棗の肩を力いっぱい押すけど全く効果なんてなくて、焦っている私の首筋から左耳へと棗の舌が滑る。
何で、どうしてこんな事に!コイツの暴走を止める方法は…!?
グルグルと回らない頭を一生懸命動かしている間も、棗はその行為を止めない。
…っ。本当、ここに居る奴は!《SINE》のメンバーは!男って奴は!棗って奴は!ぃぃ加減に…ナメるのも
「大概にしろ!!」
――スパーンッ!――
「痛っ。」
私が叫ぶと同時に棗が痛そうに頭を押さえて床に倒れた。
え?私、何もしてないよ?え?何?何で棗は床に踞ってんの!?え?何?もしかして、上から何か降ってきたのか!?それってあれじゃん。まさか、まさかの…
「敵襲っ!?」
「お前の頭はどうなってんだ。」
上から敵が攻めてきたと思って天井を見ながらファイティングポーズをとると、隼人が私の頭をスリッパで叩いてきた。
普通に痛い。