赤い狼 四





「顔真っ赤だよ?稚春。」




そんな私を首を可愛く傾げて見つめてくる奏。



今日もすっごく可愛ぃですね。私より可愛ぃんじゃない?




自分で思った事なのに結構なショックを受けながら周りを見渡すと、


エロエロ魔神の銀様がニイッと唇を綺麗に弧を描き、私に美しく笑った。




その瞬間、私は悟った。




こ、殺される。




冷や汗が尋常じゃないぐらいにダラダラと出始めた。




「昨日は何処に行ってたんだぁ?我等《SINE》のお姫様?」




あぁあああ。物凄く怒ってらっしゃる。私には分かる。分かるぞ。この方が怒っていらっしゃるのが。




私は柄にもなく、ガタガタブルブルと体を震わせた。



落ち着け稚春!落ち着くんだ。



そんな掛け声を自分自身にかけ再度、


腕組をし、仁王立ちして私をニコニコと恐ろしい笑顔で見下ろす銀を見上げる。



…が。




「や、やっぱり無理だぁああああ!」




覚悟した心は一瞬にして崩れ落ちた。


恐るべし銀。





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