赤い狼 四
「どうした!?稚春、どっか悪いとこあんのか!?病院か!?俺ぃぃ病院知ってんぞ!」
すると、ガクガクブルブルと震えながら叫んだそんな私をお姫様抱っこをして立ち上がる連。
や、ちょっと待て。恥ずかしいから止めて。
「えっ、待って待って!恥ずかしいから!大丈夫だから!」
「んな訳あるか!いきなり叫ぶなんてどうしたんだ!俺が病院に連れていってやる!だから稚春…
まだ死ぬな!」
私を殺さないでくれるかな。
優しさで言ってくれた連の言葉が逆に胸に刺さった。
死にそうになってないし。
はぁ、と短くため息をつけば連が不思議そうな顔をして私を降ろす。
うん、そうそう。それでぃぃんだよ。そのままジッとしてて。お願いだから。
「で、何で昨日来なかったんだよ、稚春ちゃん。」
銀が私にココアを渡しながら鋭く見つめてくる。
うーん。まだ聞いてきますか。
答えられない私は、へらりと苦笑いを溢す。