赤い狼 四
そして、肩を落としてため息をついてるのが聞こえてないのか、はたまた私の落胆ぶりにはどうでもぃぃのか。
「何余裕ぶっこいてんのよ、稚春!あんたの情報でねぇ、私の運命がかかってんのよ!!」
「稚春~。だんまりは良くないよ~。香だって知りたいよ。
学様はどんな顔して笑うのか、とか司様は本当にエロいのか、とか色々ねぇ~。」
私にはどうでもぃぃ事をギャアギャアと言ってくる実と香。
勘弁してよ。私は目立つ生活なんてしたくないの。
だからそんなに注目浴びるような事しないでよ。……って、この二人が何もしてなくても注目は浴びるか。
さっき二人が居なかった間、教室に向かうまでの視線の痛さったら想像しただけでも不快だったし…。
そう考えると、逆に二人が居てくれて良かったかもしれない。
この二人の迫力は、もうそりゃあ凄いってもんじゃないし、現に今も普段は可愛ぃ顔が般若みたいになってるし。
近付くと一瞬にして抹殺されそうな勢いだ。