赤い狼 四
「――…と、まぁこんな感じだよ。それと香。司は絶対あれだよ。赤絨毯とか歩かないから。赤じゃなくて黒だから。純黒だから。
あと門は真っ白じゃなくて、見てたら酔うほどのカラフルさだから。
あと、学は馬鹿だから。おお馬鹿だから。しかもめちゃくちゃエロいから。ガッツいてくる程エロいから。
そこんとこ間違えないでね、実。」
そこですかさず、実と香の変な学と司の想像…いや、妄想を遠慮なく壊させてもらった。
ってか、これが一番重要だったよ。あぁ、話せて良かった。
ふうっ、と息を一つついて香を見る。
香は
「な~んだ。」
と言ってガッカリしていたけど問題は…
「違うに決まってんでしょ!稚春、あんた見てる奴が自分だけだから嘘を言ってもバレないとでも思ってんでしょ!
そうと思ったら大間違いよ!
司様は素晴らしいお方なのよ!学様が馬鹿でエロなわけないでしょ!!学様が馬鹿とエロを極めるわけないでしょ!」
あろう事か一番現実を見ていると思っていた実だった。