赤い狼 四
香と私の差を見せ付けられて軽くショックを起こしていると、実に
「ハンカチなんて女の子が持っておくのは当然の事なのよ。」
と眉間に皺を刻んで睨まれた。
そ、そうだったのか。今度からはハンカチちゃんと持って歩こう。
「まぁ、クリスマスパーティーをやる日が決まったらまた連絡するわ。
その日まで大人しく待っておいてよ。きちんと。」
実が私に念を押す。
え。待ってよ。何その言い方。いつも大人しくしているつもりなんですけど。
「稚春は実は妄想激しい女だからねぇ~。」
「最近、頭に綺麗な花咲かせちゃって本当に困るわ。」
どうやら私の頭が暴れてたらしい。
二人の言葉に
あぁ、そうかいそうかい。
と相槌をうってから床に座り、空を見上げる。
灰色に淀んでいる。
雪が降りそうだ。
「今頃、学様と司様は何をしてるのか知りたいわね。」
「きっと純白のスーツ来て赤い絨毯を二人で歩いてるんだよ~。」
「やっぱりそうとしか考えられないわよね。」
私の両隣に実と香が座って空を見上げながら妄想をぶっ放す。