死せる朝日の会

やがて、俺とサラリーマンの話は終わりを迎える。サラリーマンの差し出した手を俺が握る、その後周囲の人間が一斉に拍手をしていた。何だかよくわからないが、何か大きな話し合いがまとまった感じだ。しかしこの後、自体は急変する。俺とサラリーマンの携帯が、ほぼ同時に鳴り始める。お互いに電話に出た直後、俺は何かを叫んでいた。そしてサラリーマンのほうも俺に何かを叫んでいる。俺は必死にそれを否定するのだが、サラリーマンは信じてくれない、そんなやりとりがしばらく続いた後、突然に視界が真っ暗になった。
その状況は全く理解できないし、俺の記憶の中には無い。けど、これにはきっと続きがあるような予感がしていた。しかし俺の夢はここで途切れてしまい、次に俺が気が付いたのは、すっかり眠りから覚めたベットの中だった。 そこは教会の一室で、普段はメンバーの仮眠室なのだが、本来の役割は救護スペースである。
「気分はどうだ？ ３日も寝てたんだ、すぐには回復しないだろうがな。」
部屋の入り口付近でアリが腕組みしながら立っていた。
「３日もか？ 確かにクラクラするな。俺は死ななかったんだな？ もう駄目かと思ったよ。」