死せる朝日の会
いまいち焦点が合わない目でアリを見る。アリは少しだけ不振な顔をしたが、しばらくして。
「パステルはどうした? 一体何があったんだ?」
その言葉に俺はハッとした。それは俺が知りたいくらいだ。
「情けない話だが、首を締められて意識を無くしたんだ。次に気がついたらこの部屋って訳さ。」
ここまで話してから、俺は我に返ったかのように思い出した。他のみんなは? もちろんパステルもそうだが、あの後はどうなったんだ?
「みんなはどうなったんだ? パステルは?」
アリはベットの横に置いてある椅子に腰掛け、俺の左手を指差した。この時、俺は初めて自分の左手が、厳重に固定されている事に気がついた。
「その怪我についても覚えてないのか? 手首から肘にかけて粉砕骨折してるんだぞ?」
俺はその言葉にゾクッとしたが、痛みは無く実感はなかった。
「パステルの行方はわからないが、他のメンバーはみんな無事だ。アイリス達は向こうの連中が連れて帰った。リンダは昨日の明け方に目を覚ましてな、それからずっと資料室に閉じこもったままだ。
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