死せる朝日の会
俺に手渡した。
「少しにがいけど、我慢して一気に飲んでね。」
薬だろうか? 俺はその瓶のフタを開ける、特に匂いとかはないが俺は薬は苦手だ。しかし、わざわざ駆けつけてくれた人に文句を言う訳にもいかず、気合いを入れて口に含んだ。すると、あまりのにがさに一瞬目の前が真っ白になりかけたが、そのまま飲み込んだ。
「これ、ちょっとにがいどころじゃないですよ。」
もの凄い涙目になりながらルーベンスを見る。
「そうかもね、でも我慢だよ我慢。」
突っ込めない、この人にはどうやら逆らえないらしい。
ルーベンスはテキパキと腕を固定している器具と包帯を外し始めた、そのあまりのスピーディーさに思わず、
「あのっ! もう少しゆっくりお願いします、一応折れてる訳ですし。」
と叫んでしまった。しかし彼は全く動じる事無く、
「大丈夫、大丈夫。全然問題無いから安心して。」
と、得意げな顔して笑っている。こんなに勢い良く包帯を外したら、きっと勢い余って激痛が走る予感がバリバリしているのにな。 こうなったら覚悟を決めるしかないな。
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