死せる朝日の会
黙って俺の話を聞いていたルーベンスは、黙って頷くと俺を見てこう言った。
「そうゆうあなただからこそ、私はあなたに力を貸して来たんですよ。 でも、ユリスは既にわかってくれてますよ。」
俺は慌てて後ろを見た、そこにはキッチンから戻って来たユリスが、腕組みして立っていた。
「なかなかの熱弁よね? まあ、複雑な状況だけど、私達の関係ってアレなのよね、くされ縁てやつ? 一番最初の人生では、疑う余地も無く恋人だった、でも、あれから何度も何度も繰り返して人生を生きていくうちに、恋人らしさは無くなっていったのよ。 こうゆう状況はこれまで何度もあったし、まあ、それも仕方ないのかもって思ってるわ。 だから、そんなに真剣に悩む必要は無いよ。」俺は、やけにあっさりした対応のユリスに、むしろ違和感すら感じたが、
「ちなみに、開き直って皮肉を言ってる訳じゃないからね。 勘違いしないように、そして、ちゃんとリンちゃんと向き合ってよね。」
どうやら見透かされているらしい。
「うん、わかった。ありがとう。」
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