死せる朝日の会
「お礼はいいから、でも念の為言っておくけど。」
「なんだよ、怖いな。」
一発殴らせろ。とかだったりしてな。
それもやむなしか。
「この件とは関係無く、あんたのケーキは無いから。 いや、もちろん我慢してくれるとは思ってるけどね。 だから、怒らないでね。」
箱の中を見ると、そこにはケーキが三つ入っている。 リンダとユリス、そしてルーベンスが食べたら俺の分配は無いよな。 ふだんなら残念に思うところだけれども、さっきのユリスの態度がおかしかった理由がわかり、なんとなく安心した。
「いいよ、また次の機会で。みんなで食べなよ。」
そう言って俺はみんなを見回してから、部屋を出た。 ルーベンスは俺に譲ろうとしていたが、わざわざ来てくれた客人に対してそれはできない。丁重にお断りしてから、俺は外に出た。 少し一人になって頭を冷やしたかったし、何よりパステルの事も含めて、俺にはやるべき事が山積みになっている。 何からやるべきか、何せよみんなが意外と冷静なのは助かる。
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