死せる朝日の会
全員がパステルの事を心配しているのは理解できる、なのに誰一人として何もしようとしないし、話し合いすら後回しだ。けど、俺はこの状況に少しも疑問を抱かない。 何故かわからないけど、絶対にパステルを助けると言う意志が、全員から感じ取れるからだ。だから、今は落ち着いて行動することが一番だと思うし、現にみんなそうしている。 いったいどれくらいの時間を過ごしてきたら、これほどまでに仲間を信頼できるのだろうか。 俺は自分の左腕をさすりながら、あの時の事を思い出していた。 パステルは俺に言った“あなたは甘い”と、そうなのかもしれない。
「あまいかぁ。 はああ…」
思わずため息をついた。
「なんだ? ケーキ食べたかったのか?」
突然後ろから声をかけられて、俺は慌てて振り返る。
「アリ。いや、そうじゃないよ、パステルに言われたんだよ、お前は甘いってさ。 てか、見てたのか?」
なんだかな。
「以前のお前は甘党だったからな、よく角砂糖を直接食べては、リンダやユリスに叱られていたな。」
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