死せる朝日の会
あれ? 待てよ。
「なあ、俺達はどうやって帰って来たんだ? あの時の状況から考えても無事に逃げれたとは考えにくいしな。それに俺は首を締められて気絶してる、なのに何故左腕を負傷してるんだ?」
特にリンダは怪我一つ無い。つまり、あの状況から抜け出せる何かがあったに違いない。しかしアリは俺を見て、不思議そうにこう言った。
「そうか、何かおかしいとは思ってたんだが、何も覚えてないとはな。 だとしたら今は何も知らないほうがいいだろう。 すぐにわかる。」
それだけ言うと、アリは教会の中に入っていってしまって。 なんなんだ一体? 俺はその場に横たわり、大の字になって空を見上げた。
「はあ… パステル。 助けないとな、みんなでケーキ食べようよ、そのほうがきっとうまいから。」
俺は誰もいない空に向かって、独り言をつぶやいた。
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