死せる朝日の会

最後の晩餐会

俺が教会に出入りするようになってから今日で六日目になる、しかしながら今日に致まで何も手掛かりらしき物は発見できていない。 実際俺がやった事と言えば、メンバーに振り回され、アリスとなったパステルに3日間も眠らされた上に、挙げ句二股疑惑で右往左往しただけだ。ああ情けない。 メンバーのほとんどは俺を慕って付いてきてくれたらしいが、今の俺には荷が重すぎる。 せめて少しでもいいから記憶が戻ったなら、少しはこの状況も変化するのかもしれない。 しかし、残念ながらミサイルの発射は明日に迫っていた。 時間にすると、今からちょうど30時間後。 明日の夕方五時17分には、世界中に向けて、核ミサイルが打ち込まれる事になっている。 俺は礼拝堂の椅子に腰掛け、ひたすら頭を抱えていた。 するとそこに、大きな坪らしき物をかかえたユリスが入ってくる。
「あれ? 一人? 」
自分の倍以上はあろうかという坪を抱えながら、ユリスは平然とした顔で問いかけてきた。
「ああ。まだ、今日は誰も来てない。 てかさ、何だその坪は? 重そうだな。」
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