死せる朝日の会
それぞれの破片に書かれた小さな文字、それは一見すると意味の無い物のように感じられる。だがしかし、俺はすぐさまに理解した。いや、俺だからこそ理解できたと言える。 俺は思わず手のひらで顔を覆いながら、
「お前、まさかこの内容の意味がわかるのか?」
若干ひきつった声になりながらも、恐る恐る聞いてみる。 するとユリスは、ニヤニヤしながら自分の胸元を隠すような仕草で、
「キャー、怖いわ。 大きいほうが好みなのよね。」
ああ、ばれてるな。絶対ばれてる。 って事はだ、もしかして?
「ひょっとして妙子の記憶か?」
あまり聞きたくないが、もうそれしか考えられない。
「あんな分かり易い場所、すぐに見つかるに決まってんじゃない。 何年も前からバレバレよ。もうちょっと巧妙に隠したら?」
やっぱりか。妙子に対しては、そうゆう部分を見せないようにしていたのに。
「ショックだった? でも妙子さんはそんなに気にしてなかったみたいだよ。」
そりゃショックに決まってる。できれば一生気づいて欲しくなかったくらいだ。
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