死せる朝日の会
あなたは過去の統計から、失敗の無い堅実なやりかたをマスターしていたじゃないですか?」
失敗。その言葉に顔を伏せるアリだったが、ゆっくり顔を上げて。
「相談も無く悪いが、パステルの事を占った。どうすればいいのか?とな。 けどこのザマだ、俺にパステルは救えないって事らしいな。」
アリの表情は、本当に申し訳なさそうだ。 しかし、俺はなんとなくだけど嬉しかった。 このメンバーはどこか冷めているような、人間らしい感覚を感じない時がちょくちょくあったのだが、そうでもないのだと理解できた。
「アリ、気にするな。 まだ一回チャンスはあるんだ。 それに、どうやら俺達の考える事は同じらしい。」
俺の言葉にハッとなるアリ、すぐに机に置いてある破片全てに目を通す。
「パステルを助けよう、アリスの事はついでだ。全ては捕まえてから考えよう。」
俺は景気づけにアリの背中を平手打ちした。
「やるか。今回はこれに賭けてみるか。 」
俺達はそれぞれの顔を見て、パステル救出の意識を確認した。
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