死せる朝日の会

俺は慌てて食堂に走った、確かあそこには氷があったはずだ、それを使えば… などと考えていると、食堂の入り口から出てきた人物とぶつかってしまった。
「おっと… どうしたんですか？ そんなに慌てて。」
ぶつかった衝撃ではじかれた俺は、鼻を押さえながら顔を上げる、そこには着物を着た若い男が立っていた。
「ルーベンスさん、何でここに？ 」
確か今日は人と待ち合わせがあって来れないはずでは？
「実は、すっぽかされちゃいましてね。 それで帰って来たんですよ、そしたら礼拝堂から凄い威圧感を感じましてね、念の為これを取りに来たと言う訳です。」
と言うと、ルーベンスは大きな紙袋を俺に見せた。何かの秘密兵器か何かだろうか？
「まあ、中身はおいおい説明するとして、あなたは何を？」
あっ そうだった、俺は氷を取りに来たんだった。そう思い出した時、俺はふとルーベンスを見た、そして、
「ちょっと付いてきて下さい。」
と、ルーベンスの手を引っ張って礼拝堂へと引き返した。
「いや、あの、そんなに急がなくても礼拝堂の方には行きますよ。」