死せる朝日の会

位置に着け

深夜一時過ぎ、広い礼拝堂には多くの人間が集まっていた。 それはテロリスト集団エイトの八人と、それをサポートするメンバー達であった。
「全員注目！」
壇上からパステルが叫ぶ。
「自分の所在地と行動内容は把握できたか？ とにかく時間が惜しい、理解できた者から行動に入ってくれ。」
まるで軍隊の隊長の様な口ぶりで命令を出すパステル。その光景は実に異様な物だった。
ただでさえパステルは小さな女の子だ、それが中年男性みたいな話し方で、しかもユリスに貰った耳付きカチューシャを付けたままである。そのまま大勢の大人達に命令する様は、異様以外の何者でもない。
パステルの話が終わるとすぐ、多くの人達は教会から出て行った。 そのうちの何人かは俺やユリスに声を掛けてから出掛けたんだけど、申し訳なくも思い出す事は出来なかった。
「さあ、お前らも早く行け、一刻も早くオリジナルを発見して見張るんだ。」
パステルは俺達を急がせる、既に作戦は全員に伝えられ、今まさに最後の勝負に出掛けようとしていた。
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表紙・目次

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