死せる朝日の会

しかも和風という感じとは異なる、華僑を連想させるような艶やかさがあった。
「しばらくね。いままでありがとう、よく頑張ったわね。 これで終わりにしましょう。」
ホウメイは俺の頭に手を置きながら、優しい表情で笑った。 なんとなく穏やかな気分になる。
「そして最後にこちらがレイン。 私達の特攻隊の隊長をやってる人だよ。」
レインは静かに近寄って来て俺を見た。 俺と同じくらいの背丈で、上下共に黒い服、背中まで伸びた長い髪、整った顔立ち、まるでモデルのようなルックスだ。 しかしながら、その全身からでている雰囲気は一体何だ？ 殺気なのだろうか？ 俺にはそうゆうのはよくわからないが、凄い圧迫感を感じる。
「今が約束の時だな。 これをお前に返そう。」
そう言ってレインは、手に持っていた荷物を俺に渡した。それは細長い布袋で、ずっしりと重い。
「なんですかこれ？」
予想外の重さに、思わず落としそうになる。なんせレインは軽々と扱っていたからだ。
「今のお前にはわからんかもしれないが、それはお前が非常に大切にしていた物で、ずいぶん前に俺が預かったんだ。」