死せる朝日の会
「ホウメイ様、私達も行きましょう。」
雨がホウメイの袖を引っ張る。
「そうね、そろそろ出かけますか。」
ホウメイは、深々と頭を下げ、部屋から出て行った。 雨とリンダは少し会話をしていたが、やがてそれも終わり、雨は急いでホウメイの後を追った。
「それでは私も行きます、おそらく次は無いかも知れませんが、できれば会いたいもんですね、お元気で。」
ルーベンスはいつもと変わらぬ雰囲気で帰っていった。彼は他のメンバーとの関係上、単独行動になるらしい。
「ありがとう、あなたこそ元気で。」
俺はルーベンスの後ろ姿に礼をした。
さっきまで大勢で賑わっていた礼拝堂は、ルーベンスの足音が小さくなるのが聞こえるほど静まり返っていた。
「みんな行ってしまったね。」
リンダは寂しそうにつぶやいた。
「…そうだな。」
俺もつられて感傷的な気分になってきた、持っている刀がやけに重く感じる。
「さて、どうする?」
唐突にリンダは俺を見た。 すでに気分が落ち込みはじめていた俺とは反対に、やけにハイテンションなリンダが俺を黙って見ている。
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