死せる朝日の会
できれば説得して収めたいものだな、事故を未然に防げれば罪は存在しなくなる訳ではない。 あるいは、本当に部外者の所業であったならどれほど良いか。 しかしパステルの作戦内容が真実ならその可能性は低いだろう。
「はあぁ… 、今更考えても仕方ないってのにな。」
俺は下を向いてため息をついた、それにしても俺最近独り言が多いよな。 疲れてるんだろうか?
それにしてもリンダのやつ遅いな、どこまで買いに行ってんだ? 俺は公園のすみに置いてある自販機を見た、しかしそこにリンダの姿は無く、さらに向こうのコンビニ店内にいるのが見えた。
のんきに雑誌なんか読んで、オリジナルのリンダと鉢合わせしたら大変だってのに。 余裕なのか、それとも緊張からくる行動なのだろうか? 俺もあとでコンビニ行って気を紛らすか。 まだ夕方までは時間がある、気を張り詰めっぱなしじゃ精神が参ってしまう。 俺はなんとなく肩の力を抜き深呼吸をした。
その時だ、ふいに後ろから誰かに話し掛けられた。
「なあ、ちょっと聞きたいんだけどさ、今って何時?」
振り向くとそこに一人の男が立っていた。
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