死せる朝日の会
年齢的には俺と同じか少し上だろうか? ヨレヨレのTシャツに古びたジーパン、さらにはサンダルを履いて髪はボサボサ、もう少し服装に気を配ってもいいのでは?と思ってしまうような人物で、 しかし表情や話し方はとても穏やかで、不思議と好感の持てる人物だった。
「時間ですか? もうすぐ十時ですね。」
俺は腕時計を見て答えた。
「十時かぁ、しまったな。」
男は頭をかきながら俺を見た、俺というより俺が持っている刀を見ていた。とは言っても刀は布袋の中だ、中身が何かなんてわかるはずはないが、万一見つかったら面倒だ。 俺はなんとか状況を変えようと話を降った、
「どうかしたんですか? 待ち合わせに遅れたとか?」
すると男は少し笑って、
「いやいや、むしろ逆だな、早く来過ぎたんだ、これからどうしようかな…」
とにかくヒマを持て余した感じの台詞は、俺の後ろから突如現れた人物によって中断された。
「早くないだろ、今がちょうど待ち合わせ時間だ。」
俺のすぐ後ろに立っていたのはリンダだった。
「だってさ、まだ夕方まで結構時間あるよ?
< 174 / 258 >

この作品をシェア

pagetop