死せる朝日の会
我ながら苦しい言い訳だと思ったが、ここは多少強引じゃないと乗り切れそうにない。 あとは口先だけで畳み込んでやる。
「信じなくても構わないが、慎重で頭のキレるお前ならわかるだろ? お前達の存在を知る俺が目の前にいる、何も考えずに出て来たと思うか? それなりの準備はしてるさ、それは予想できるだろ? 事態を解決するには目の前の俺だけに対処しても意味はない。だからお前達は俺に何もできない。」
極力冷静を装い、表情も崩さずに振る舞う。 そして、
「そうだな、もしお前が政府の回し者だとしても何もできないな。 しかし一つだけ知りたい、その刀はどうした? その布袋は俺の仲間が作ってくれた特殊な物だ、その中には蒼白刀しか入れる事はできない、だからごまかさずに教えてくれ。」
オリジナルヒナは少しだけ困惑した表情で俺を見る。 それだけけの刀が大事だったとはな。
「袋も刀も俺の物だが、今はまだ俺の手に余る代物だ、悪いが詳しくは説明できそうにない。」
これは本当だ、確かにこれは俺の物らしいが、記憶の無い現時点では微妙な話だ。
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