死せる朝日の会

良さもある

俺とオリジナルヒナとの遭遇事故の後、念のため俺達は場所を変えていた。
「ずっと放置していた割には綺麗だな、もっとホコリっぽいかと思った。」
リンダは窓を開けて換気をした。
ここは先程の公園と同じ様に、国会議事堂が見張れる位置にあるアパートの一室だ。もともとはここで待機する予定だったけど、リンダがかび臭い部屋は嫌だなんて言うから公園にいた訳だけど、状況が状況なだけに他に選択の余地はなかったわけで。
「で? どうだった?」
リンダは大量に買い込んできたお菓子を開けながら俺に渡す。
「パステルの話だと、ほとんど奇跡的な確率だったらしいな。 オリジナルの自分と遭遇しても何も起こらないのは1万分の1パーセント以下らしい、だから次は無いと釘をさされたよ。」
俺はあの後、とりあえずパステルに電話をして状況を説明したのだ。
「まさに運だけだな。 私がいたらもっとやばかった訳だ。」
さすがのリンダも表情が暗い。
「パステルの話だと、オリジナルの俺達は国会議事堂には入っていないらしい、政府との話し合いは夕方からだから、しばらくは近くのアジトにいるはずだってよ。」
< 181 / 258 >

この作品をシェア

pagetop