死せる朝日の会
俺はアパートの窓からゆっくりと外を見た、議事堂前の広い道沿い、さっきの公園よりも少し向こうに大きなマンションが見える。そこの2階フロアの全室がエイトの支部になっているらしい。
「あれか? リンダは覚えているか? 本部はアメリカらしいけど、日本での活動拠点はあそこだったらしいぞ。」
俺はマンションを指差してリンダを見る。
「それがさっぱり覚えてないんだよな。 あんな高級マンションで生活していたとはな、このボロアパートとは大違いだな。」
リンダも窓から外をのぞいてつぶやいた。 確かに快適そうだな。
「とりあえずは待つしかないな、予定では3時ちょうどに国会議事堂の前に現れる事になってる。下手に動いて見つかったらアウトだ。」
そう言うとリンダは立ち上がり、コンビニで買ってきた雑巾片手に俺を見た。
「お風呂入りたいから掃除してくる、なんせ昨日の夜からずっと動いているからさ。 お前もさっぱりしたいだろ?」
そう言われてみればそうだな、昨日からずっと動いているから風呂なんて入ってる時間なかったんだよな。
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