死せる朝日の会
「…ごめん、軽いイタズラのつもりだったんだけど、ちょっとした手違いって言うか事故って言うか、とにかくごめん。」
さすがにここは真剣に謝った。
「お前不器用なんだからさ、やめろよな。」
リンダは少し呆れ顔だ、
「そうだな、自分でもびっくりだ。」
自分では器用なつもりだったんだけど。
「あの一瞬でいろいろ考えちゃったよ、変に刺激したから火がついたのかとか、最後だから勢いでとかな。 」
リンダはシャツの裾を直しながら顔を赤くしている。
「いや、何にも考えてなかったよ、なんとなくイタズラ心でな。」
苦笑いをする俺にリンダは
「…のか?」
小さい声で何かをつぶやいた、
「え? 何? 聞こえなかった。」
俺はリンダに顔を近づける、
「いや…、だからさ…、見たいのか? って思ってな。」
赤い顔をさらに赤くしたリンダは下を向いてしまった。 その姿があまりに愛おしくて、思わず抱きしめた、
「そりゃ見たいさ、俺はリンダの全てが知りたい、でもさ、こんな追いつめられた状況でなんて嫌だ、俺達には俺達の在り方があるだろ。 だから無理はするなよ。」
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