死せる朝日の会
俺の言葉にリンダも俺を抱きしめる、
「お前こそかっこつけるな、そもそもお前が変な事するから気を使ったんだろ? 全く私達も子供だよな。」
リンダはそう言うと再び風呂場に向かって歩き出す。 俺はその場に座って携帯を取り出しメールを開いた、実はさっきからメールが次々と送られて来ていたのだ。 どれも仲間達から送られて来たものばかりで、内容はみな一様に最後の別れだった。 今回の最終作戦が唐突に決まったもんだから、ゆっくりと話している時間がなかったせいだろう。 俺はその一つ一つに返事を送る、記憶の無い俺とは違い、みんな今日という日に対する期待感は大きいようだ。
もし今の俺に記憶が戻っていたなら、この状況にも感動していただろうな。 まあ、全く感動が無い訳ではないのだけれど、それでも他のメンバーに比べたらまだまだなんだろうな。
俺が一通りのメールを打ち終えた頃、リンダは入浴を終えて戻って来た。
「はい交代ね、結構熱いから気をつけろよな。」
バスタオル一枚を巻いただけの格好で現れたリンダは、冷蔵庫からアイスを取り出して食べ始める。
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