死せる朝日の会

そうなのか？ だったら何故刀をブレスレットにできる？
俺は腕のブレスレットを指差してリンダを見た。
「気になるか？ まあ女にはいろいろ秘密があるもんなんだよな。 詮索するなよ。」
そう言って軽くウインクした。
「何だよそれ？ まあいいや、セリフは覚えたか？」
俺がさっきから携帯を見ているのは、これから国会議事堂に入る為の偽個人情報を覚える為だった。
「いや、さすがに覚えたよ。お前もいい加減に大丈夫だろ？ なんなら私が対応するからいいよ、後ろからついて来いよ。 」
「お前が上司役か？ それは無理があるぜ、俺でも微妙なのに。」
そんな事をさせたら門前払いは目に見えてる。
「だったらオドオドするな、会社名と自分の偽名さえ覚えていれば大丈夫だ。」
それもそうか。
「おいちょっと待て。」
と言ってリンダは俺の後ろから襟を引っ張った。
「ぐえっ… 、いきなり何するんだ？ 」
俺は首を押さえながらリンダを見る。
「工事関係者が正門から入る訳無いだろ、もっと右の方に業者用の入り口があるんだよ。 メールに書いてあっただろ？」
そんなのあったかな？