死せる朝日の会
これはかつて俺とリンダが駅前で実践していた力で、今のメンバーなら誰もが使える特殊能力だ。 意識を集中する事でオリジナルの自分を見つけ出す、そうする事によって最悪のケースを避けるのだ。
俺は持ってきたノートパソコンを部屋のサーバーに接続する、さすが電算室と言うだけあって何でも揃ってる。 そこから館内の警備システム経由で監視カメラの映像を覗く。
暗くて狭い部屋の中に四人の姿が見て取れる。 やはりあいつが俺なのか? 俺はそこに映し出された一人の顔の顔のジッと見た。 間違い無くさっき遭遇した彼だ、そして隣には俺を知らないリンダがいる。 なんとも表現しがたい感情がこみ上げてくる、この瞬間を夢見て過ごしてきたであろう俺の感動なのだろうか?
「見ろ、あいつが内閣総理大臣の相原壮介(あいはらそうすけ)だ。 それと同時に国家間紛争抑止機構、通称EATC(イーテックス)の幹部でもある。とは言っても、あいつ一人の権限が強すぎて他の幹部は飾りだけどな。
「つまり、あの相原って言う奴が俺達の敵なのか?」
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