死せる朝日の会
リンダも俺の隣に並んで座る、
「なあ、これを聞くのも最後になると思うけど、本当に記憶は戻ってないのか? 何か少しくらい思い出した事とかないのか?」
俺の肩に頭を乗せてリンダが聞いた。 この言葉を聞いた俺は少し複雑な心境になる、リンダは本来の俺を見てきたんだ、だからって訳じゃないけど変な疑心暗鬼にとらわれる事がある、リンダが好きなのは俺なのか?それとももう一人の…、 それでもまっすぐに俺を見てくれるリンダだからこそ惹かれたのかもしれないがな。
「それがな、さっぱりなんだ。 さっき直接自分と対峙したにもかかわらず何も変わらなかったよ、たぶん最後までこのままかもな。」
俺の答えを真剣な表情で聞いていたリンダは、少し考えたような顔をしながら俺に言う、
「あのさ、最後に一つ、賭けをしないか?」
予想外の提案に思わずリンダを見た、
「賭け? 別にいいけどさ。 どんな賭けをするんだ?」
俺は思いのほかテンションが上がる、賭けは結構好きだからかな。
「もし私の考えが正しければ、お前は消えないと思う。」
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