死せる朝日の会
リンダの言いたい事はわかる、確かにそうなのかもしれないが、あまり期待し過ぎると後々のショックはでかいよな。
「お前の考えはわかった、しかしあまり期待はするな。 可能性の一つくらいに考えておけよ、そうじゃないと現実は辛いぞ。」
結局残るのはリンダなんだ、できるだけ穏やかに明日からを過ごさせてやりたい。
「ヒナ、そんなに気を使うな。 私はそんなに弱くないよ、覚悟ならできてる。 賭けだと言っただろ、軽い気持ちで聞いてくれ。」
気を使うなと言うリンダの言葉は、俺に対して気を使っているように感じられて胸が痛かった。
「で? 何を賭けるんだ? 俺はたいした物は持ってないぞ」
もしかして、ヒナの持ち物かな?
「簡単だよ、ゲームが終わった時お前が消えて、何も知らない高柳周一だけが残ったら、私はお前の事を忘れて強く生きる、お前に心配させたく無いからな。」
笑顔で俺を見るリンダに、俺は苦笑いをして返す。
「それなら、安心して天国に行けるな」
本当にそして欲しい、幸せに生きてくれれば何よりだ。
「次に、お前が消えなかった場合。」
リンダは続ける、
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