死せる朝日の会
一般の電気屋がこんな事されたら、さぞ驚くだろうと考えての行動だ。態度とは反対に内心は気合いを入れて警戒する。 するとドアの死角から声が聞こえてくきた。
「本日は工事申請は出てませんが? 会社名と工事内容を教えて下さい。」
何だって? 申請が無いだと? そんな馬鹿な、受付はちゃんと通過できたぞ。 俺は混乱してリンダを見る、するとリンダは手帳を広げて俺に手渡した。 そこには今回の偽作業の内容が書かれていた。 俺は落ち着いて内容を読み上げる、
「私達は中川電気サービスです、今日は第4から第8までのサーバー保守と部品交換の作業の予定です。 申請はしていますが? 受付を確認して下さい。」
俺が一通り説明すると、ドアの向こうの何者かがヒソヒソ話で何かを言っている。 どうやら複数いるらしい。
「念の為に中を確認したい、よろしいか?」
一瞬戸惑ったが、見られて困る事は何も無い、それより一刻も早く対処しないとタイムリミットが来てしまう。 俺はパソコンが閉じられている事を確認してから、
< 206 / 258 >

この作品をシェア

pagetop