死せる朝日の会
私とヒナは長年の親友だった。 これが最後になるかもしれないだろ? だから一目だけ見に来たのさ、その本来の姿をね。」
俺と親友? そんな話はじめて聞いたな。
「なんで言ってくれなかったんですか? 親友だったなんてはじめて聞きましたよ。」
記憶が無いとはいえ、それは本当に申し訳ない、しかしルーベンスは、
「いいんだ、君と親しいのは皆だって同じさ、ここに来たのだって本当は遠慮するつもりだった。 けどパステルがね、いろいろ気にしてくれてさ。 だから君が気にしなくていいんだよ、こうしてモニター越しに会えただけで充分だ。」
親友か、俺はルーベンスの横顔をマジマジと見る。
「できれば、少しでいいから思い出したかった。 最後までこれじゃあ他のメンバーにも悪い気がします。 このまま時間が来て消えるだけなら、せめて思い出したい。 」
俺の言葉にルーベンスは笑顔で返す、
「君は君さ、確かに本来のヒナとは雰囲気が違うけどね、でも今の君も大切な仲間だと思っているよ。」
俺は申し訳なさから頭を下げる、
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