死せる朝日の会
「だから気にしなさんなって、さて用も済んだ事だし次に行こうかな。 とりあえずこれ渡しとくよ、パステルから。」
そう言ってルーベンスは、俺に小さな紙袋を手渡した。 袋を開けて中身を取り出す、一枚のディスクと古めかしいネックレスだ。
「ディスクは見ればわかるかな、でもこれは?」
俺はネックレスを手にルーベンスを見る、
「お守りですね、パステルも可愛いとこがあるようです。」
いやいやいや、見た目はパステルでも中身はほとんどおっさんだぜ、あれは女かどうかも怪しい気がする。
「お守りねぇ。 ルーベンスはこれからどうするんですか? パステルの所に戻るんですか?」
俺はネックレスを首に巻いてから、パソコンにディスクを入れる。
「いや、あっちはパステルに任せておくよ、体力仕事なら安心だしね。 こっちはミサイルの反応を調べるよ、都合が良い事にここの二階に国防省の窓口があるからね、ちょっと潜り込んで来るよ。」
仮にも国の防衛を任された組織の一端に、まるでコンビニにでも行くかのような口振りで笑うルーベンス。
「それに、若い二人の邪魔をしたら悪いだろ?」
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