死せる朝日の会
だいたい、ずっとコーラばかり飲んで歩き回っていたくせに、いつこんな物を用意してたんだ? 俺が長文に疲れてため息をついていると、
「なあ、これ見てくれ」
と言ってリンダが自分の携帯を俺に渡した。 そこにはパステルの写真データが表示されていた。 最後に見たときと同じままの耳付きのカチューシャを付け、やけにヒラヒラした黒いドレスの姿で写っていた。 しかもわざわざポーズまでとっている。
「何だこりゃ? いつの間に撮ったんだ? これは元のパステルには見せられないような写真だな。」
しかし見た目だけなら、まあ、なかなかだな。 何て考えていると、
「違う違う、これは私が写したんじゃなくて、北崎が送ってきたんだよ。」
「あいつが? なんでパステルの写真なんか送ってきたんだ?」
俺は携帯をリンダに返してからパソコンを確認する、モニターに映し出された部屋の様子は変わらずだ。
「いや、なんかさ。 あいつはもともとパスの事が気になってたんだよ。 それがこの服装だろ、どうにもテンションが上がってるみたいだな。」
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