死せる朝日の会
もし人がいたなら、遺体が発見されているはず。まだ、結論を出す段階には無いはずだ。 しかし、妙の反応は、俺の予想とは全く違ったものだった。
「…狙い通りって訳ね。たいしたもんだわ。」
つぶやくように。けど、はっきりと、そう口にした妙は、何故が俺を睨みつけていたのだ。 そして、
「もうすぐ日本は戦争に巻き込まれるよ。まず政府はテロ対策の名目で、自衛隊を海外に派遣するの。けど、それを加勢と考えたテロリスト達は、自衛隊を対象とした襲撃を決行。その結果、隊員の300人近くが亡くなる大惨事に発展したの。 その後の日本政府の対応はひどいものよ。 身をひくどころか、逆に報復に出たのよ。 似たような事が世界中で起きてしまった結果、ほとんどの国が戦争になったの。 わかる? ただのホテル爆発だけじゃ無いのよ、これからが始まりなの。そしてもう手遅れなのよ。」 と、淡々と語ったのだ。 これからの事を語り始めていながら、まるで昔話でもしているような話し方に、俺は何も言えずに聞いていた。 ただ黙って妙を見ていると。 何も言わずにゲーム機の電源を抜き、テレビを指差した。 ゲームの接続が切れた事により、普通のニュース番組に戻っていた。
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