死せる朝日の会
俺は自分でもびっくりするほど位の普通の返答をする。
「実はね、私知ってたんだ、あんたの正体。」
え? 何だって?
「中身が俺だと知っていた? ヒナに聞いたのか?」
俺は突然の告白に驚いて、リンダの近くまで近寄る。
「違う、ヒナにも他の誰からも聞いてないよ。 書庫の記録読んだでしょ? 前回アリスになったのは私だよ、その時にわかったんだ、全て私のせいなんだってね。 でもどうする事もできなかった、ゲームをリセットする度にみんなの記憶は曖昧になるし、いくら蓄積しても正しく残されない。 だから私は待っていたんだよ、あんたが再び誰かの中に入って来る日を。」
知っていた? 前回のアリスってまさか?
「アリスの本当の意味を知っているって事は、嘘は言ってないみないだな。 アリスとは、選ばれた三人とは別に他人の体を借りる者、すなわち俺だけだ。」
リンダは俺を見て笑う、
「そうだよ、だからヒナはアリスじゃないよな、今回のアリスは高柳周一の中にいたお前だラクス。 でも、男でアリスって気持ち悪いな。」
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