死せる朝日の会
そう言えば、ヒナがはじめてアリスとして現れた時、あいつは言ってたな、自分アリスと呼ぶのは皮肉なもんだと。 確かに俺がアリスなんだから皮肉だよな、なんせ記憶も無いし、ヒナでも無い訳だしな。
「でも、どうしてわかったんだ? 確かに昔、俺はお前に入ってアリスになった。 でもお前には何も伝えてないぞ、てか話せる訳無いよな。 それに、何故再びアリスが現れるのを待った? わざわざ待たなくても解決する方法ならあっただろ? 俺が犯人だとメンバーに知らせればいい。…って、あれっ? リンダお前、記憶が継続してるのか?」
リンダの話から推測すると、かつてアリスになった時からずっと記憶が続いているかのような口振りだ。 リンダは俺を見ながらブイサインをする。
「実はな、何でそれが私に伝わったのかはわからないんだ。 はじめはお前が仕組んだ事なのかと思ったが、いくら観察してもそんな素振りは見られなかった、これが本当の奇跡って言うのかもな。 そして、それを期に記憶の継続も始まったんだ、結構大変だったんだ、お前に悟られないようにするのはな。
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