死せる朝日の会
その行為を不信に思う奴はいないからな。」
ジュンイと妙は俺を見ながら頷いた。
「理解が早くて助かります。 けど… 今となってはどうでもいい事です。あなたに現状を把握してもらう為だけの話ですから。肝心なのはこれからの私達の行動です。だったのですが…。」
ん? これまで淡々と話してきたジュンイだったが、急に黙ってしまった。妙を見ると下を向いて、同じように黙っている。
「二人共どうした? 何か言いにくい事なのか?」
二人が急に黙ってしまったので、俺はなんとなく空気を読んでこう言った。
「まあ、何にせよ話してもいいんじゃないか? 俺が本当にテロリストだとしても、そんな記憶なんて覚えてないからな。もしかしたら俺じゃないかもしれないしさ。」
自分なりに気を使っての発言だったのだが、どうやら地雷を踏んだらしい。
「一番の問題点はあなたです。 断言できますが、あなたは間違いなく私達の仲間でありリーダーだった。そこに問題はありません。 問題があるとしたら、あなたの記憶が全く戻らない事なんです。 本来の予定なら、ユリスより先にあなたが動くはずだったのです。」
そんな事言われても、俺にはどうしようもない。
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