死せる朝日の会

「今回の計画、確かにあなたの一存のみで決まりました。みんなは反対しました。けど、あなた一人だけは自信たっぷりで、無理矢理に強行したのです。」
まだ俺は責められるのかと、再び怒りがこみ上げて来そうになったその時、
「ほらね、あなたが彼で間違い無い。その涙を忘れてないのなら、私達は負ける訳にはいかないのですから。」
俺を指差し、まっすぐに見つめてくるジュンイ。そして、気が付くと俺は、大粒の涙を流し泣いていた。予想だにしなかった自分の涙に驚いていると、
「とりあえず安心しました。まさか本当に人違いだったら笑えませんからね。そんな失態をやらかしたら、我が主に何を言われるか、わかったもんじゃありません。」
俺はポケットからハンカチを取り出し、涙を拭く。 そして、目の前のカップを手にとって、一気に中身を飲み干した。 程よいカフェインが、頭を冷やしてくれる。
「中断させて悪かったな。もっと真剣に聞くよ。まだ全然話が見えてこないからな。」
俺は、何故だかわからないが決心した。妙ならいざ知らず、今日逢ったばかりのこの男の話を信じると。それは自分が泣いたからではない。