死せる朝日の会
普通に考えたら、教会から出てくるのはシスターだろ? 百人にそれを聞いたとして、はたして何人の強者がメイドさんと答えるだろうか? 俺の戸惑いはどうしたものか、目の前の二人には関係無いみたいだった。
「もしかして、○○○さんは、自分の記憶が戻ってないのですか?」
え?
「ん? 誰が? ごめん、よく聞こえなかった。今言ったのは俺の名前なのか? だとしたらその通りだよ。俺は自分が誰なのかわからないんだ。」
俺の言葉に、二人は驚きを隠せないようだった。
「でもさ、その言い方からすると、ジュンイには会ったんだよな? 事情は聞いてるんだろ? だからここに来たんだよな?」
金髪の娘が必死な様子で聞いてくる。
「まあ、そうなんだけどな。とりあえず君たちは何者だ? 関係者なんだよな?」
とりあえず状況を確認したくて聞いた俺だが、この二人にって俺の言葉はショックだったらしい、若干の落胆ぶりが見て取れる。 しばらくして、銀髪の娘が話し始めた。
「そうだったのですか。誠に残念です。ユリスさんの様子が変だったので、何かあったのではないかと思ってはいましたけど、まさかこんな事態になっているとは。
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