死せる朝日の会

学校へ向かう途中、後ろから大きな声で俺を呼ぶ声がした。 振り返るとそこには、俺の古くからの友人であり、親戚でもある女の子、神崎妙子（かんざきたえこ）の姿があった。 彼女は俺と同じ高校に通うクラスメートで、入試をギリギリで合格した俺と違い、家から近いという理由だけで、高校を選べた彼女は実に優秀なのだ。「おはよう、今日はやけに早いね。何かあるの？」
昔から全く変わらない笑顔で俺を見る。恋愛ドラマだと何かが始まるのだろうが、俺達にはさっぱりだ。はっきり言って妙は可愛い。素直にそう思う。けどいかんせん付き合いが長すぎる、一緒に過ごした時間が長すぎて、全く恋愛対象として見る事ができないのだ。幼なじみと恋愛なんてのは、幼なじみを知らない奴の妄想だな。
「おっす。なんとなく目が覚めてな。そっちこそ早いな、部活は辞めたんじゃなかったのか？」
妙はちょっと前までは水泳部のエースだった。けど練習中に腰を痛めて以来部活を辞めたのだ。
「私もなんとなくね、目が覚めちゃったのよ。なんか変な夢も見ちゃったしね。」
変な夢ねぇ
「おまえもか？ お互いに今日は運勢悪そうだな。 このまま学校サボって遊びにでも行くか？」